2015年度に岐阜県高山市の国際交流員として勤務された鄢婧云氏から、雲南省麗江市と高山市との友好交流について寄稿いただきました。
寄稿文は、下記URL(当事務所公式Wechatアカウント)からご覧いただけます。
URL:https://mp.weixin.qq.com/s/wPra6roHbhWeG_1Y-Go9SA
【参考】寄稿文和訳
「君の名は。」の飛騨高山からの心温まる支援
中国雲南省麗江市の友好都市・岐阜県高山市(飛騨高山)は新海誠監督のアニメ映画「君の名は。」の舞台のひとつとされています。日本で広く知られている飛騨高山は、歴史的な町並みや心癒される風景、絢爛たる高山祭の伝統文化など、無限の魅力に満ちた誰もが憧れる場所です。
ユネスコ無形文化遺産――高山祭 | 高山市の古い町並み |
高山市が見守る中、麗江市は2003年の行政機構再編を経て、2004年の洪水災害を乗り越えるなど、20年間にわたって両市は手を携えて共に発展してきました。
2020年、突如として発生した新型コロナウイルスは麗江市に大きな影響を及ぼしましたが、同時に高山市の心も動かしました。麗江市で感染者が確認され、医療物質が不足する中、高山市は麗江市の友好都市として最初に防疫用品を送り、心温まる支援をしてくれました。
國島芳明・高山市長「麗江頑張れ!山川異域、風月同在」
高山市の國島芳明市長から麗江市長に送られたメッセージには、「感染者の方々の早期回復と感染の終息を願っています。」「貴市のお役に立てることは私たちの喜びです。一日も早く平穏な生活に戻られることを心から願っています。」と、麗江市を応援する言葉が記されています。
高山市は人口10万人に満たない地方都市ですが、防護用の帽子、ゴーグル、服、手袋、シューズカバー等、250セットもの支援物資を麗江市に寄贈してくれました。
高山市のWeChat公式アカウント「飛騨高山」には、「山川異域、風月同在」という文章が掲載されています。
ウイルスは残酷だが、人には情がある。
疫病は一時のことだが、友情は長く続く。
麗江市と高山市の友好交流を振り返ると、前世紀に遡ります。1999年3月、株式会社日本エアシステム(JAS)が関西国際空港-昆明長水国際空港間の直行便を就航させる際に、雲南省政府が世界遺産に登録されている麗江古城を持つ麗江市にふさわしい友好都市の紹介を依頼しました。JASは景観や気候、地理条件、風土、文化等の要素を考慮して高山市を推薦し、それが麗江と高山市の友好交流の幕開けとなりました。幾度もの相互訪問と様々な努力を経て、2002年3月21日、麗江市において和段琪・麗江地区行署専員と土野守・高山市長が友好都市提携の協定書に署名しました。
友好都市提携調印式
20年間にわたって麗江市と高山市は兄弟のように共に歩み、記念植樹、民間芸術団の相互訪問、演奏会の実施、市民代表団の草の根の交流、青少年の相互訪問、医学分野での交流、平和宣言など、多彩な友好交流活動を展開してきました。また、高山市からは、麗江古城環境整備基金、2004年洪水災害見舞金、麗江トンパ文化伝承基金への支援がなされたほか、消防資機材や日本語の書籍等も寄贈されています。
友好記念植樹
2016年には、國島芳明・高山市長が消防、文化、国際交流分野等の関係者とともに麗江市を訪問し、高山市内の各中学校から青少年代表団として来訪した18人の中学生は麗江市の青少年と交流しました。
國島芳明・高山市長と劉佳晨・麗江市党委副書記(当時)
國島芳明・高山市長の麗江トンパ文化博物館視察
これまでの青少年交流を通じて、麗江市と高山市の「希望と未来」である若者たちは友好の種を蒔いてきました。どうか将来、この上なく美しい花が咲きますように。
ナシ族の踊りを一緒に踊る麗江実験学校と高山市の生徒たち
運動場でゲームを行う麗江市と高山市の生徒たち
麗江市と高山市の青少年たちの「友情の証」-対銀の腕輪
短い付き合いから生まれる深い友情
麗江市と高山市の生徒の交流
一緒にコスプレを楽しむ生徒たち
高山市の友人と共に幼少時代を振り返る
麗江市と高山市は2004年から共同で研修員の派遣をしていて、麗江市からは毎年1~2名の職員を10ヶ月間、高山市に派遣しています。また、麗江市の職員を国際交流員として高山市に派遣したこともあります。
こうした職員派遣や青少年交流によって、麗江市と高山市の関係は一層緊密になっています。研修員や国際交流員と高山市の人々の間には固い友好の絆が結ばれ、時が流れてもその絆は消えることがありません。
國島芳明・高山市長とJET OB・OGの記念写真(2016年)
研修員と国際交流員が高山市の住民と一緒に祭に参加(2015年)
国際交流員と高山市の住民のビスケット作り(2015年)
高山市の友人が麗江市を訪れ研修員と交流
麗江市と高山市の友好関係は、映画「君の名は。」で描かれたものと同様です。つまり、私たちに同じ山や川はなく、国が異なり遠く離れていますが、心は共にあります。そして、私たちは同じ風と月の下、互いに手を携えて歩んできました。
2020年、私たちは新型コロナウイルスの流行に直面していますが、一日も早く乗り越えられるよう一心同体となって力を合わせていきましょう。暖かい春が来て花が満開になる頃には「君の名」を呼び、再びお会いしましょう。どんな時でも私たちはずっと一緒です。
麗江市人民政府外事弁公室 鄢婧云
2015年4月~2016年4月高山市CIR
高山市民中国語講座で中国語講師を担当